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公開:2026年9月11日/最終更新:2026年10月11日

塾の講師が大学生かプロかで違いはあるか|指導者の種類の研究

大学生の講師と、指導を仕事にしてきた専任の講師では、子どもの伸び方は違うのでしょうか。武蔵境駅南口で通う先を考えるとき、担当者の紹介にある「大学生」「プロ」という言葉が判断の中心になることがあります。経験がある人に任せたい気持ちも、学習者に近い立場の人に教わるよさを期待する気持ちも自然です。

この記事の要点
  • 訓練されたボランティアや大学生が担当する指導にも、学力への正の効果を示す研究があります。
  • 教員による指導の効果が高い研究もあり、専門性を軽く扱う理由にはなりません。
  • 指導を受けない子との比較と、指導者の種類による比較を分けて読みます。
  • 資格の高さに一貫した効果が見られない研究では、子どもの前提知識との組み合わせが関わっていました。
  • 担当者の訓練、教材の選び方、学習記録、困ったときの相談先を確認します。

塾の講師が大学生かプロかで違いはあるか|指導者の種類の研究

大学生の講師と、指導を仕事にしてきた専任の講師では、子どもの伸び方は違うのでしょうか。武蔵境駅南口で通う先を考えるとき、担当者の紹介にある「大学生」「プロ」という言葉が判断の中心になることがあります。経験がある人に任せたい気持ちも、学習者に近い立場の人に教わるよさを期待する気持ちも自然です。

研究では指導者の種類による違いが見られますが、大学生か専任かという肩書だけで決めず、訓練の内容と指導を支える仕組みまで確かめるのが妥当です。 訓練されたボランティアや大学生の指導で、読みの力が伸びた研究があります。一方、教員が担当する取り組みの効果が高かった研究もあり、結果を並べるには、誰と比べ、どの学習を支援したかをそろえて読む必要があります。

保護者が知りたいのは、講師の分類そのものより、今つまずいている内容に合う指導を受けられるかです。講師が問題を解けることに加え、子どもの誤りをどう読み取り、次の課題をどう選ぶかに目を向けます。読みの補習や家庭教師の研究を手掛かりにすると、面談で聞く内容も、経歴の長さから実際の教え方へと具体的になります。

要点

  • 訓練されたボランティアや大学生が担当する指導にも、学力への正の効果を示す研究があります。
  • 教員による指導の効果が高い研究もあり、専門性を軽く扱う理由にはなりません。
  • 指導を受けない子との比較と、指導者の種類による比較を分けて読みます。
  • 資格の高さに一貫した効果が見られない研究では、子どもの前提知識との組み合わせが関わっていました。
  • 担当者の訓練、教材の選び方、学習記録、困ったときの相談先を確認します。

個別指導の講師は大学生か専任か、まず分類の中身を見る

「プロなら安心」「大学生なら勉強した感覚が近い」という説明は、選ぶ際に理解しやすい言葉です。ただ、大学生は在学中という立場を示し、専任は働き方を示しています。指導する教科をどれほど理解しているか、誤答にどう対応する訓練を受けたかとは、別々に確認する項目です。大学名や経歴の印象を先に置くと、必要な指導内容を聞きそびれやすくなります。

研究に出てくる「教員」「補助員」「ボランティア」も、それぞれ異なる役割を持ちます。補助員とは、教員の仕事を支え、学習支援などを担う人を指します。日本の塾でいう専任講師と海外の学校教員は別の区分なので、ここでは研究の呼び方を保ったまま結果を読みます。働き方の名称を置き換えるより、担当する範囲と支援体制をたどるほうが、家庭での判断に結びつきます。

たとえば、式の途中で誤りが続く子については、正しい解き方を説明するだけでなく、どの段階から考え違いが始まったかを見てほしいところです。文章を読むことに時間がかかる子なら、内容の理解と文字を読む作業を分けて見ているかも確認の対象になります。こうした作業を担当者がどのように進めるかを聞くと、紹介文の肩書からは見えなかった違いが出てきます。これは講師の種類に順位をつける作業ではなく、子どもの課題に対して必要な働きを具体化する作業です。

経歴を尋ねる場合も、「長く教えていますか」で終えず、似た学習課題にどのように対応するかを続けて聞けます。答えの内容を、教材の例や記録の項目と照らし合わせます。担当者自身が判断する部分と、別の担当者に相談する部分が見えると、任せる範囲が明確になります。

訓練された大学生やボランティアにも成果がある

Ritterら(2009)は、米国の公立学校に通う就学前段階から中学生相当までの子どもを対象に、ボランティアによる指導を調べた21研究を統合しました。用いたのは無作為化試験、つまり、くじ引きのように組を分けて取り組みを比べる試験です。メタ分析とは、このような複数の研究の結果をまとめて計算し直す方法を指します。全体として、ボランティアの指導は学力に正の効果を示しました。

Ritterら(2009)が比べたのは、主にボランティアの指導を受けた子と、その指導を受けない子です。文字や単語、声に出して滑らかに読む力、書く力に関する評価で、指導を受けた子の成績が高い傾向がありました。ここでの問いは、ボランティアによる支援が学習に役立つかというものです。専門職以外の人による補助的な指導にも、学力を支える働きがあることを示す結果として読めます。

Elbaumら(2000)は、読みにつまずくおそれのある小学生への、成人が担当する個別の読みの補習をまとめました。訓練されたボランティアや大学生を用いた取り組みには、高い効果が見られました。注目したいのは、「大学生」という立場に加えて、訓練や取り組みの中身が含まれる点です。家庭で確かめる際も、教える人の紹介と、教えるための準備を続けて聞くと、研究の読み方に沿った比較になります。

面談では「担当前に何を練習するのか」「誤りへの対応は誰が確かめるのか」と聞く方法があります。研修があるという答えに続けて、担当する教科や単元に結びついた内容を尋ねます。正答の説明を覚える練習なのか、子どもの解き方を見て説明を変える練習なのかで、確認したい中身は変わります。大学生という理由だけで候補から外す前に、実際に行う指導と、その準備を見ておく意味があります。

教員の効果が高い研究は、何と比べているのか

Slavinら(2011)は、就学前段階から小学5年相当までの読みにつまずく子どもへの支援について、条件を満たす96研究をまとめました。比較する組を無作為に分けるか、よく似た子ども同士を比べ、少なくとも12週続いた研究を対象にしています。結果として、教員による個別の読みの指導は、補助員やボランティアによる指導より効果が高いと報告されました。文字と音の対応に焦点を当てた指導も良好な結果を示しており、指導者と教え方の両方を見る内容です。

Nickowら(2024)は、就学前段階から高校段階までの個別支援に関する実験を統合しています。指導者の種類に注目すると、教員や補助員が担当する取り組みで、効果量が大きい傾向がありました。効果量とは、学力などの差の大きさを、得点のばらつきを物差しにして表した数です。ここでは全体の平均よりも、どのような担当者が教える取り組みで成果が大きかったかに着目します。

Ritterら(2009)の問いと、Slavinら(2011)の問いを並べると、結果が食い違って見える理由を整理できます。前者は、ボランティアの支援を受けることの意味を、受けない場合との比較で捉えています。後者には、専門性の異なる指導者が担当する取り組みの違いという観点があります。「支援として役立つ」と「別の指導者より効果が高い」は、答えようとしている問いが違います。

研究 研究で示されたこと 比較の軸 対象となる学習
Ritterら(2009) ボランティアの指導に正の効果 指導を受ける子と受けない子 米国の子どもの読み書きなど
Elbaumら(2000) 訓練されたボランティアや大学生の取り組みに高い効果 読みの補習と各研究の比較条件 読みにつまずくおそれのある小学生
Slavinら(2011) 教員の指導の効果が高い 教員、補助員、ボランティア 読みにつまずく子どもへの支援
Nickowら(2024) 教員や補助員の取り組みで効果が大きい傾向 指導者の種類などによる取り組みの違い 就学前から高校段階の学習

資格の高さと、子どもの前提知識を組み合わせて読む

Ömeroğullarıら(2020)は、ドイツの中等教育段階の生徒について、家庭教師の資格と成績の関係を調べました。もともとの知識、学習への意欲、家庭などの背景を考慮すると、資格が高い指導者ほど成績を伸ばすという一貫した効果は見られませんでした。観察されたデータから、資格の高さだけで成果を説明する見方を点検した研究です。保護者にとっては、資格と子どもの状態を一緒に見る理由になります。

同じÖmeroğullarıら(2020)の研究では、国語に当たるドイツ語で、講師の資格と生徒の前提知識の間に正の交互作用が見られました。交互作用とは、ある条件との組み合わせによって、別の条件の関わり方が変わることです。この場合、資格と成果の関係を読む際に、指導を始める前の知識も関係していました。資格の高低を単独の物差しにするより、どの段階の子どもにどのような専門性が必要かを考える読み方につながります。

家庭でこの点を確かめるなら、先に「今の問題で止まる場所」を言葉にします。計算の手順を忘れるのか、問いの意味を取り違えるのか、既習内容を使う場面がつかめないのかで、必要な説明は違います。答案に残った途中の式や、読んでも意味をつかめなかった箇所を手掛かりにすると、講師側にも課題が伝わります。子どもに不足を列挙させるのではなく、教える側が出発点を把握するための材料をそろえます。

そのうえで、「この誤りなら、何を確かめてから教え始めますか」と尋ねます。学年相当の教材から始めるのか、関連する基礎を見直すのか、その理由まで聞けると比較しやすくなります。専門性は経歴の長さとしてだけでなく、出発点をどう見定めるかという働きとして観察できます。資格の説明と指導方針の説明をつなぐことで、家庭の希望も具体的になります。

肩書だけで任せると見落とす、合わない指導の条件

ここからは、研究の比較を家庭で使うための確認例です。まず注意したいのは、担当者が詳しく説明したことと、子どもが自力で扱えるようになったことを同じにする進め方です。説明を聞いている間はうなずけても、自分で解くと止まる子なら、説明後の取り組みまで見る必要があります。どちらの立場の講師でも、子どもの作業を確かめる時間をどう置くかが確認の対象になります。

基礎の抜けが点在している子には、今の単元の解法だけを重ねる進め方が合わない場合があります。たとえば計算の誤りを、その日の問題だけ直して終えると、別の問題でも同じ箇所で止まることが考えられます。これは特定の種類の講師による害を測った結果ではなく、支援の進め方について点検する場面です。誤りが繰り返されたとき、教材や説明をどのように見直すかを聞いておきます。

また、説明されるとすぐ答えを写してしまう子では、手助けが増えるほど、自分の考えを出す機会が減るおそれがあります。保護者が「経験豊富だから任せきりでよい」と考えると、その変化を見過ごしやすくなります。逆に、大学生だからと毎回指導を疑い、子どもに別々の解き方を繰り返し要求すると、学習の手順が混乱することも考えられます。どちらも肩書に反応する前に、子どもが実際にした作業を確認するための注意点です。

疲れや不安が強い子なら、課題を終えたかだけでなく、途中で止まった理由も共有したいところです。担当者の交代がある場合には、前回のつまずきと次の課題が記録でつながっているかを見ます。相手の立場を評価し続けるより、同じ観察項目を使って指導内容を確かめるほうが、修正点を伝えやすくなります。合わない進め方が見えたら、子どもの努力不足ではなく、課題と支援の組み合わせを見直します。

面談では訓練・教材・頻度・記録を具体的に聞く

面談の前に、最近の答案や取り組んだ問題から、説明してほしい箇所を選んでおきます。目的は講師を試すことではなく、同じ学習課題をもとに指導方針を聞くことです。「数学が苦手」という大きな言葉より、「式は立てられるが途中の変形で止まる」と伝えるほうが、答えも具体的になります。保護者だけで決めず、子どもが困っている箇所も短く添えます。

  • 訓練について、担当する教科の誤答例を使って対応を練習しているか。
  • 教材について、最初の課題を何を根拠に選び、理解に応じてどう変えるか。
  • 頻度について、学習の間隔と家庭で進める内容をどうつなぐか。
  • 記録について、正誤だけでなく、つまずいた理由と次の課題を残すか。
  • 相談先について、担当者だけでは判断しにくいときに誰が指導を支えるか。

答えを比べるときは、「研修があります」「記録しています」という有無だけで終えないようにします。どの誤りにどう対応する練習か、何を記録して次にどう使うかまで聞きます。担当者が替わる場合の引き継ぎも、同じ記録がどこまで共有されるかという形で確認できます。大学生でも専任でも、同じ質問を使うと、肩書の印象と指導の中身を分けて見られます。

学習が始まった後は、教わった範囲に近い問題を自分で進めたときの様子を残します。正答に至ったかだけでなく、どこで助けが要ったか、説明を自分の言葉で言い直せたかを短く書けば十分です。つまずきが続いた場合には、その記録をもとに課題を戻すのか、説明を変えるのかを相談します。記録を講師の採点表にするより、次の指導を調整する共通の材料として使います。

担当者を選ぶ際の軸は、「大学生だから」「プロだから」で止めず、子どもの課題を把握し、準備し、教えた後を確かめる仕事がつながっているかに置きます。学ぶ内容が変われば、必要な専門性や支援の範囲も見直します。経歴の説明と実際の学習記録を合わせることで、その子に必要な指導の条件を見比べられます。

よくある質問

大学生の講師でも基礎の復習を任せられますか

Elbaumら(2000)には、訓練されたボランティアや大学生の読みの指導で、高い効果を示した取り組みがあります。選ぶ際は、今の教科でどこにつまずいているかを把握し、その課題に応じた準備をしているかを確認します。説明した問題を子どもが自力で扱えるかまで確かめる方針なら、指導内容を継続して点検する材料になります。

専任で経験が長ければ、訓練や記録は聞かなくてもよいですか

経験の長さを聞いた後も、担当する学習課題への対応と記録の方法を尋ねるとよいでしょう。たとえば、誤りが続いたときに教材をどう戻すか、説明をどう変えるかを聞くと、経験が実際の判断にどう生かされるかが見えてきます。指導の見直しをいつ、誰と相談するかも合わせて聞けば、担当者を支える仕組みまで把握できます。

講師を替えるか迷ったら、何をもとに話せばよいですか

子どもが止まった問題と、受けた説明、その後に自分で進めた様子を並べて伝えます。「大学生だから心配」「プロなのに伸びない」という評価から始めるより、どの作業に助けが必要かを共有します。教材や説明の調整で対応する部分と、別の専門性を持つ人に相談する部分を分けると、変更が必要か、その理由も具体的に話し合えます。

この記事の限界

比較の中心は、米国などの読みの補習や、ドイツの家庭教師であり、日本の塾における大学生講師と専任講師を同条件で直接比べた研究ではありません。対象の学年、教科、指導期間、比較する組の作り方が異なり、指導者の区分に伴う教材や訓練の違いも含まれます。

資格についての観察研究と、取り組みを割り当てた実験では因果関係を確かめる強さも異なるため、家庭では学習記録と合わせて判断する必要があります。読む・書く・計算する際の困難が続く場合は、肩書の選び直しだけに集中せず、学校の先生や学習支援の専門家と具体的な課題を共有することが、指導を調整する手掛かりになります。 その担当者が子どもの誤りをどう記録し、次の教材や説明へ反映するのか、具体例を尋ねられますか。

参考文献

  1. Ritter GW, Barnett JH, Denny GS, Albin GR. The Effectiveness of Volunteer Tutoring Programs for Elementary and Middle School Students: A Meta-Analysis. Review of Educational Research. 2009;79(1):3-38. doi:10.3102/0034654308325690
  2. Elbaum B, Vaughn S, Hughes MT, Moody SW. How effective are one-to-one tutoring programs in reading for elementary students at risk for reading failure? A meta-analysis of the intervention research. Journal of Educational Psychology. 2000;92(4):605-619. doi:10.1037/0022-0663.92.4.605
  3. Slavin RE, Lake C, Davis S, Madden NA. Effective programs for struggling readers: A best-evidence synthesis. Educational Research Review. 2011;6(1):1-26. doi:10.1016/j.edurev.2010.07.002
  4. Nickow A, Oreopoulos P, Quan V. The Promise of Tutoring for PreK–12 Learning: A Systematic Review and Meta-Analysis of the Experimental Evidence. American Educational Research Journal. 2024;61(1):74-107. doi:10.3102/00028312231208687
  5. Ömeroğulları M, Guill K, Köller O. Effectiveness of private tutoring during secondary schooling in Germany: Do the duration of private tutoring and tutor qualification affect school achievement? Learning and Instruction. 2020;66:101306. doi:10.1016/j.learninstruc.2020.101306

わからなくなった単元まで、講師と二人で戻ってやり直す。

  • 向く人: 集団授業で質問できないまま進み、どこでつまずいたのか分からなくなった中学生・高校生
  • 向く人: 苦手な科目を、つまずいた単元まで戻って一対一でやり直したい人
  • 向かない人: 大勢と競い合う中で力が出る子や、集団授業の速い進度を求める人
  • 向かない人: 塾に通うだけで成績が変わると考え、家で手を動かす時間を取れない人

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よくある質問

大学生の講師でも基礎の復習を任せられますか

Elbaumら(2000)には、訓練されたボランティアや大学生の読みの指導で、高い効果を示した取り組みがあります。選ぶ際は、今の教科でどこにつまずいているかを把握し、その課題に応じた準備をしているかを確認します。説明した問題を子どもが自力で扱えるかまで確かめる方針なら、指導内容を継続して点検する材料になります。

専任で経験が長ければ、訓練や記録は聞かなくてもよいですか

経験の長さを聞いた後も、担当する学習課題への対応と記録の方法を尋ねるとよいでしょう。たとえば、誤りが続いたときに教材をどう戻すか、説明をどう変えるかを聞くと、経験が実際の判断にどう生かされるかが見えてきます。指導の見直しをいつ、誰と相談するかも合わせて聞けば、担当者を支える仕組みまで把握できます。

講師を替えるか迷ったら、何をもとに話せばよいですか

子どもが止まった問題と、受けた説明、その後に自分で進めた様子を並べて伝えます。「大学生だから心配」「プロなのに伸びない」という評価から始めるより、どの作業に助けが必要かを共有します。教材や説明の調整で対応する部分と、別の専門性を持つ人に相談する部分を分けると、変更が必要か、その理由も具体的に話し合えます。