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公開:2026年9月11日/最終更新:2026年10月18日

個別の授業で子が手を止めたとき講師はすぐ教えるか|先に考えさせる授業の研究

放課後の教室で、子が黙って鉛筆を置いたのを見て、すぐ教えてもらうべきか、もう少し待ってもらうべきか、と保護者は迷います。講師が答えを書き始めると、家でも自分で考えない子になるのではないかと気になります。反対に、長く黙ったままの子を見ると、放っておかれているのではないかと不安になります。この二つの迷いを整理するには、同じ「待つ」という言葉でも、前後の授業の進め方まで見る必要があります。

この記事の要点
  • Tobin(1987)は、待ち時間が教師と生徒に考える時間を与え、高い水準の思考を伴う学びを促す可能性をまとめています。
  • Sinha ほか(2021)の53研究・166比較では、先に解かせてから教える形が g = 0.36 と有利でした。
  • ただし Sinha ほか(2021)では、小学2〜5年生は先に教える形のほうが有利でした。
  • Alfieri ほか(2011)では、手助けなしの発見学習は明示して教える授業より劣りました(d = -0.38)。
  • Loibl ほか(2017)は、比べる例や子の解き方を使った説明など、授業の工夫が必要だとまとめています。
  • Koedinger ほか(2007)によると、手助けを与えるか控えるかの釣り合いは未解決です。

個別の授業で子が手を止めたとき講師はすぐ教えるか|先に考えさせる授業の研究

放課後の教室で、子が黙って鉛筆を置いたのを見て、すぐ教えてもらうべきか、もう少し待ってもらうべきか、と保護者は迷います。講師が答えを書き始めると、家でも自分で考えない子になるのではないかと気になります。反対に、長く黙ったままの子を見ると、放っておかれているのではないかと不安になります。この二つの迷いを整理するには、同じ「待つ」という言葉でも、前後の授業の進め方まで見る必要があります。

知りたいのは、手が止まっている間に、講師が何をするのが学びにつながるのかという点です。先に考えさせてから教える形は、条件がそろえば学びを深める可能性がありますが、待つ時間の長さだけで決まるものではありません。研究が見ているのは、黙っている秒数よりも、何を比べ、どんな説明につなげるかです。ここからは、待つ側と教える側の研究を、比べた相手と学年ごとに並べてみます。

個別の授業では、答えを示す場面だけでなく、その前に子が何を試したかにも目を向けます。講師が黙っているとき、考えるための材料が手元にあるかも確認する点です。以下では、授業の順番を扱った研究と待ち時間の研究を区別して読み、授業を見るときの具体的な確認へつなげます。

要点

  • Tobin(1987)は、待ち時間が教師と生徒に考える時間を与え、高い水準の思考を伴う学びを促す可能性をまとめています。
  • Sinha ほか(2021)の53研究・166比較では、先に解かせてから教える形が g = 0.36 と有利でした。
  • ただし Sinha ほか(2021)では、小学2〜5年生は先に教える形のほうが有利でした。
  • Alfieri ほか(2011)では、手助けなしの発見学習は明示して教える授業より劣りました(d = -0.38)。
  • Loibl ほか(2017)は、比べる例や子の解き方を使った説明など、授業の工夫が必要だとまとめています。
  • Koedinger ほか(2007)によると、手助けを与えるか控えるかの釣り合いは未解決です。

個別指導で子が「わからない」と手を止めたとき、講師は待つべきか

すぐ教えると自分で考えなくなるのではないか、という心配があります。反対に、止まっている時間が長いほど困るのではないか、という心配もあります。しかし、教えるまでの時間だけで、授業のよしあしを判定できるのでしょうか。研究を読むときは、考える時間を確保することと、必要な手助けを省くことを区別します。

待ち時間そのものを扱った総説があります。Tobin(1987)は、授業中の発言と発言の間に待ち時間をとることで、教師と生徒が考える時間を得て、高い水準の思考を伴う学びが進む可能性をまとめました。ただし、扱ったのは主に学級の一斉授業の研究です。今回の根拠には1対1の授業で講師が待つ秒数を調べた研究がないため、個別の授業での時間の基準にはできません。

総説から受け取れるのは、沈黙をすべて無駄な時間とみなす必要はないという見方です。一方で、待ち時間の研究だけでは、手が止まった原因までは判断できません。考えをまとめているのか、問題の意味がわからないのかを、子の書いたものや発言と合わせて確認します。

教室の一斉授業で得られた結果を、個別の授業に移すときには注意が必要です。学級全体への問いと、その子の途中の式を見ながらの問いでは、場面が異なります。見学では、沈黙の長さに加え、講師が何を尋ね、その後に子が何をしたかを記録する方法が考えられます。これは効果が確かめられた見学法ではなく、授業を具体的に話し合うための提案です。

先に解かせてから教える形が有利だった研究

待つか教えるかを、授業の順番として調べた研究があります。新しい数学の概念を、先に解かせて失敗してもよい形にしてから教える授業が対象です。Kapur(2014)がシンガポールの中学生を対象に行った無作為化比較試験(くじ引きで組を分けて比べる試験)では、先に解かせた群が概念の理解と新しい問題への応用で上回りました。手順の知識はどちらの群も高く、差が出たのは意味の理解や応用の側でした。

この形をまとめて確かめたメタ分析(複数の研究の結果をまとめて計算し直す方法)もあります。Sinha ほか(2021)は53研究・166比較を集め、先に解かせてから教える形が、先に教えてから解かせる形より g = 0.36(95% 信頼区間 0.20; 0.51)だけ有利だったと報告しました。ここでの g は効果量(差の大きさを、ばらつきを物差しにして表した数)です。出版の偏りを補正した推定は g = 0.87 と大きくなりますが、推定の不確かさも大きいとされています。

ただし、この結果は「待てばよい」という意味ではありません。先に解かせる形にも、その後の指導が含まれています。自分で試した後に説明を受ける順番と、先に説明を受ける順番を比べた結果として読む必要があります。

Kapur(2014)の研究を授業に照らすときも、問題に取り組む前半と、指導を受ける後半を合わせて見ます。解けなかった経験だけを切り出して、失敗が学びを生むとは言い切れません。子が試した内容が、その後の説明とどうつながるかを確認する視点になります。

小学2〜5年生では、順番が逆になる

同じメタ分析の中で、Sinha ほか(2021)は年齢によって向きが変わることも報告しています。小学2〜5年生では、先に教えてから解かせる形のほうが有利でした。教科をまたぐ一般的な技能でも、同じように先に教える形が上回りました。全体の g = 0.36 だけを見ると、この違いは見えなくなります。

オーストラリアの小学5年生を対象にした実験もあります。Ashman ほか(2020)は、光のエネルギー効率を題材に、先に教えてから解かせた群と、先に解かせてから教えた群を比べました。実験の対象はそれぞれ N = 64 と N = 71 で、先に教えた群が同じ型の問題で上回りました。要素の絡み合い(一度に扱う情報のつながりの多さ)が多い難しい内容では、応用問題でも先に教えた群が上回りました。

この結果から、先に考えさせる順番がすべての学年や内容で有利だとは言えません。とくに、新しい内容の難しさを無視して、待つ方針だけを決めることは避けたいところです。家庭から講師に相談するなら、その単元を初めて学ぶのか、どこまで説明を受けているのかも添えます。

学年は研究の対象を読むための情報であり、個々の子に合う授業を決める基準そのものではありません。研究に参加した子と同じ学年でも、同じ課題に同じ結果が出る保証はありません。授業の順番を相談するときは、学年に加えて、問題の内容と、子が途中まで書けたことを確認します。表でも学年の欄だけで結論を選ばず、比較条件と合わせて読みます。

手助けなしの発見学習は、なぜ劣ったのか

Kirschner ほか(2006)は、発見学習・探究学習などを並べ、人の記憶の仕組みと実証研究から、手引きの少ない授業は手引きの多い授業より効果も効率も劣ると批判しました。手引きの利点が小さくなるのは、学ぶ側がすでに十分な知識を持ち、自分の中に手がかりを持っているときだとしています。この整理では、すでに知っていることの量が、手助けを考えるうえで重要な条件です。

発見学習の164研究をまとめた分析でも、手助けの有無が分けられています。Alfieri ほか(2011)によると、手助けなしの発見学習は、明示的に教える授業より d = -0.38(95% 信頼区間 [-0.44, -0.31])だけ劣りました。足場かけとは、できない部分を支える手助けのことです。正誤の知らせや解き方の例、足場かけなどを加えた授業と、手助けなしの授業を同じものとして扱えない結果です。

この分析で比べられたのは、単に待つ秒数の違いではありません。手助けなしの発見学習と、明示して教える授業との比較です。個別の授業を見るときにも、黙っているかどうかに加え、どの手助けが用意されているかを確かめます。

たとえば、問題文の意味を確認することと、答えまで書いて示すことは、異なる手助けです。何がわからないかを聞かずに、待つか全部教えるかの二択にすると、実際の授業の違いが見えにくくなります。子が書いた式や図を残しておけば、どこまでできていたかを講師と話す材料にできます。誤った答えだけでなく、その前に何を考えたかも確認するという提案です。

待つだけでは足りない。比べる例と子の解き方が要る

先に解かせてから教える授業の総説では、効果が出る条件が整理されています。Loibl ほか(2017)は、違いの見える例を並べて比べさせる、または子が出した解き方をもとに説明を組み立てる工夫がある場合に限って学びが進むとまとめました。ただ待って解かせれば効くわけではない、という整理です。先に問題を渡すことだけでなく、その後の説明の作り方も含む授業として見ます。

手助けを加えた発見学習の比較も確認します。Alfieri ほか(2011)は、正誤の知らせ・解き方の例・足場かけ・説明を引き出す問いなどを加えた発見学習は、他の授業より d = 0.30(95% 信頼区間 [0.23, 0.36])だけ良かったとも報告しています。これは、手助けなしの発見学習と明示的な指導を比べた d = -0.38 とは、条件の異なる比較です。同じ授業が効くとも効かないとも結論されたのではなく、手助けと比べた相手を分けて読む必要があります。

個別の授業で確認するなら、比べる例が示されたか、子の解き方をもとに説明されたかを見ます。子が何か書いたら、その書き方を使って、どこをどう考えたかを尋ねる場面も確認できます。これは総説の条件を授業の観察へ置き換えたもので、その動きがあれば成績が上がるという判定法ではありません。

比べる例については、何が同じで何が違うのかを子が説明できたかを聞く方法があります。子の解き方を使った説明なら、途中の式と講師の説明がどこでつながったかを確認します。正解を写しただけなのか、自分が迷った点への説明だったのかを分けて記録します。例の選び方に迷うときは、家庭で新しい問題を足す前に、授業で使った例を講師と見直します。

学年・内容・比べた相手で、答えは変わる

ここまでの研究を、よく言われることと並べてみます。同じ「待つ」でも、何と比べたかで意味が変わります。下の表は、待ち時間、授業の順番、手助けの有無を区別して整理したものです。

待つ指導への見方 授業の順番と手助けの結果 比較条件 学年・研究の範囲
すぐ教えると自分で考えなくなる Tobin(1987)は考える時間を与える可能性を示しています 待ち時間に関する研究の総説 主に学級の一斉授業
待てば自分で解けるようになる Alfieri ほか(2011)では手助けなしの発見学習が劣りました(d = -0.38) 明示して教える授業 164研究の分析
先に考えさせると深く学べる Sinha ほか(2021)では先に解かせる形が有利でした(g = 0.36) 先に教えてから解かせる形 53研究・166比較
小学生にも同じように効く Sinha ほか(2021)では先に教える形が有利でした 先に解かせてから教える形 小学2〜5年生
長く待てばよい Loibl ほか(2017)は比べる例や子の解き方を使う工夫を条件としています 先に解かせてから教える授業の設計条件 総説

表の一番下の行は、授業を具体的に尋ねるときの視点になります。講師が黙っている間だけでなく、子の取り組みが後の説明に使われたかも見ます。答えを示す前に待ったという事実だけでは、総説が挙げた条件を満たすとは言えません。

与えるか控えるかの釣り合いそのものは、まだ決まっていません。コンピュータの個別指導の実験をまとめた Koedinger ほか(2007)は、その釣り合いをどうとるかを未解決の問題としています。教室での相談でも、待つ方針を一律に選ぶより、どの手助けを使った後に子が進めたかを具体的に共有します。

授業を見るときに確かめられること

保護者が個別の授業を見学するときは、待つ秒数に加えて、手が止まった直後に講師が何をしたかを見ます。すぐ答えを書いたのか、例を出したのか、子の式を指して質問したのかを記録します。見学中に前後の流れが見えなかった部分は、後で講師へ尋ねます。短い場面だけで子との相性や指導の効果まで決めつけないことも大切です。

授業の後に子へ聞く方法もあります。今日いちばん手が止まった問題を一つ選び、講師が最初に何をしたかを尋ねます。答えを教わったのか、別の例を見たのか、自分の解き方を説明したのかを、ノートと合わせて確かめます。覚えていない部分は無理に答えさせず、相談の際の確認事項として残します。

確認する項目は、待つ前の材料、子が書いた後の問い、最後の説明です。これらを、授業のよしあしを採点する項目としては使いません。どの時点で子が困り、どの説明の後に進めたかを講師と共有するための記録にします。

家で問題が解けなかった日も、同じように途中の式から確かめられます。子がすでに説明を受けた箇所と、まだ質問できていない箇所を分けます。家庭で先回りして答えを作るより、どこで止まったかを相談の材料に残す方法が考えられます。

子が書いた途中の式を消さずに残し、どこで手が止まったかを一緒に確かめます。説明を聞いた後に進めた部分も印を付けます。次の授業では、その式をもとに必要な説明を講師へ相談できます。

よくある質問

講師がすぐ教えてしまうと、子は自分で考えなくなりますか。

すぐ教えることが常に悪い、という結果ではありません。Kirschner ほか(2006)は知識の少ない学び手への手引きの必要性を論じ、Alfieri ほか(2011)は手助けの有無を分けて比べています。速さだけでなく、子に必要な材料や説明が届いているかを確認する視点になります。答えを示すまでに何を確認したかも、講師に尋ねられます。

個別の授業で、講師はどのくらい待つのがよいですか。

今回の根拠から、個別の授業で待つ秒数の目安は出せません。Tobin(1987)の総説は主に学級の一斉授業を扱っています。個別の場面では、子が考えているのか、問題の意味からわからないのかを、途中の式や発言と合わせて講師と確認します。沈黙が続いた問題を残し、その前にどんな説明を受けたかも聞く方法があります。

手が止まっているとき、家では何と声をかければよいですか。

まず、答えを聞く前に、どこで止まったかを一つ尋ねます。問題文の意味なのか、式の立て方なのか、計算なのかを、子のノートと合わせて確認します。似た問題を思い出せなければ、一緒にノートを開いて説明を探す方法もあります。困っている箇所を言えないときは、その問題を残して講師への質問に使います。声かけの効果を保証する手順ではありません。

先に教える形と先に考えさせる形は、どちらが向いていますか。

研究では学年や内容によって結果が異なります。Sinha ほか(2021)は小学2〜5年生で先に教える形が有利だったと報告し、Ashman ほか(2020)は小学5年生の難しい内容で先に教える利点を示しています。個々の子については、学年だけで決めず、問題と途中の取り組みをもとに相談します。説明の後に進めた箇所も共有します。

この記事の限界

比べた相手には、先に教える授業や、明示的な指導、手助けの異なる授業が含まれます。これらをすべて、講師が黙って待つ時間の長短としてまとめることはできません。シンガポールの中学生やオーストラリアの小学生を扱った実験と、学級での待ち時間の総説では、学年だけでなく課題や説明の組み立ても異なります。

個別の授業で講師が黙って待つ秒数を直接比較した研究は、今回の資料にはありません。武蔵境の教室でどれだけ待つとよいかという基準もなく、子が考えているのか、前提の知識がなく困っているのかは、授業中の式や発言から講師と確かめる必要があります。沈黙に強い不安を感じる場合には、学校の先生にも対応を相談する余地があります。

参考文献

  1. Tobin. The Role of Wait Time in Higher Cognitive Level Learning. Review of Educational Research. 1987;57(1).
  2. Kapur. Productive failure in learning math. Cognitive Science. 2014;38(5):1008-1022.
  3. Sinha ほか. When Problem Solving Followed by Instruction Works: Evidence for Productive Failure. Review of Educational Research. 2021;91(5):761-798.
  4. Ashman ほか. Problem-Solving or Explicit Instruction: Which Should Go First When Element Interactivity Is High?. Educational Psychology Review. 2020;32(1):229-247.
  5. Kirschner ほか. Why Minimal Guidance during Instruction Does Not Work: An Analysis of the Failure of Constructivist, Discovery, Problem-Based, Experiential, and Inquiry-Based Teaching. Educational Psychologist. 2006;41(2):75-86.
  6. Alfieri ほか. Does Discovery-Based Instruction Enhance Learning?. Journal of Educational Psychology. 2011;103(1):1-18.
  7. Loibl ほか. Towards a Theory of When and How Problem Solving Followed by Instruction Supports Learning. Educational Psychology Review. 2017;29(4):693-715.
  8. Koedinger ほか. Exploring the Assistance Dilemma in Experiments with Cognitive Tutors. Educational Psychology Review. 2007;19(3):239-264.

通知表の数字の手前で止まっている一問から、講師と二人で始める。

  • 向く人: 内申が気になり始めたのに、どの教科のどこで止まっているのかを、子も保護者も言葉にできていない中学生
  • 向く人: 通塾の日だけ机に向かい、ほかの日の学習習慣が続かないことを、授業の中で一緒に組み直したい家庭
  • 向かない人: 英検や内申の結果を、通う回数を増やすことだけで変えたいと考えている家庭
  • 向かない人: 一人の講師と向き合うより、大勢と競い合いながら速い進度で先へ進みたい人

このサイトは武蔵野個別指導塾の運営者が制作しています。武蔵境駅から徒歩30秒、講師が一人の生徒に付きっきりの完全1対1で、大学教員や東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学の大学院生などが教えます。アルバイト講師はいません。

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よくある質問

講師がすぐ教えてしまうと、子は自分で考えなくなりますか。

すぐ教えることが常に悪い、という結果ではありません。Kirschner ほか(2006)は知識の少ない学び手への手引きの必要性を論じ、Alfieri ほか(2011)は手助けの有無を分けて比べています。速さだけでなく、子に必要な材料や説明が届いているかを確認する視点になります。答えを示すまでに何を確認したかも、講師に尋ねられます。

個別の授業で、講師はどのくらい待つのがよいですか。

今回の根拠から、個別の授業で待つ秒数の目安は出せません。Tobin(1987)の総説は主に学級の一斉授業を扱っています。個別の場面では、子が考えているのか、問題の意味からわからないのかを、途中の式や発言と合わせて講師と確認します。沈黙が続いた問題を残し、その前にどんな説明を受けたかも聞く方法があります。

手が止まっているとき、家では何と声をかければよいですか。

まず、答えを聞く前に、どこで止まったかを一つ尋ねます。問題文の意味なのか、式の立て方なのか、計算なのかを、子のノートと合わせて確認します。似た問題を思い出せなければ、一緒にノートを開いて説明を探す方法もあります。困っている箇所を言えないときは、その問題を残して講師への質問に使います。声かけの効果を保証する手順ではありません。

先に教える形と先に考えさせる形は、どちらが向いていますか。

研究では学年や内容によって結果が異なります。Sinha ほか(2021)は小学2〜5年生で先に教える形が有利だったと報告し、Ashman ほか(2020)は小学5年生の難しい内容で先に教える利点を示しています。個々の子については、学年だけで決めず、問題と途中の取り組みをもとに相談します。説明の後に進めた箇所も共有します。