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公開:2026年9月11日/最終更新:2026年10月18日

小学生から個別指導に通うと頼りきりになるか|手助けを少しずつ外す指導の研究

子ども部屋の机に、宿題のプリントが広がったまま止まっています。横から「どこがわからないの」と聞くと、子は黙って鉛筆を置き、こちらを見ます。小学生のうちから個別指導に通わせたら、この止まる時間がなくなって、困ったらすぐ誰かに聞く癖がつくのではないか。塾の資料をめくりながら、そう考えたことのある保護者は少なくありません。

この記事の要点
  • 1対1の指導では、指導者が説明を控えても、学ぶ側は同じように学べたという実験があります。
  • 足場かけの中心は、子の状態に合わせること、支えを少しずつ減らすこと、責任を子に移すことの3つです。
  • 12〜15歳の768人を調べた研究では、子が自分で取り組む時間が短い場面ほど、細かい手助けが成績を下げる方向でした。
  • コンピュータによる足場かけの144実験では全体に g = 0.46 の効果がありましたが、支えを減らす工夫の有無で効果は変わりませんでした。
  • ヒントの求め方は助言で良くなりますが、それだけで成績が上がるとは限りません。
  • 小学生が個別指導で頼りきりになるかを直接調べた研究は見つかっていません。

小学生から個別指導に通うと頼りきりになるか|手助けを少しずつ外す指導の研究

子ども部屋の机に、宿題のプリントが広がったまま止まっています。横から「どこがわからないの」と聞くと、子は黙って鉛筆を置き、こちらを見ます。小学生のうちから個別指導に通わせたら、この止まる時間がなくなって、困ったらすぐ誰かに聞く癖がつくのではないか。塾の資料をめくりながら、そう考えたことのある保護者は少なくありません。

研究の世界では、この心配は「手助けをどこまで与え、いつ外すか」という問いとして扱われてきました。答えを先に書くと、頼りきりになるかどうかは、手助けの量そのものより、子が自分で取り組む時間が確保されているかと、支えを減らしていく設計があるかで決まりやすいというのが、いまの研究から見えている範囲です。量とタイミングを分けて考えると、心配の半分は確かめられる問題になります。

ただし、小学生が個別指導に通って頼りきりになるかを、そのまま測った研究は見つかりませんでした。ここで引くのは、授業の中で手助けをどう渡し、どう減らすかを調べた研究です。年齢も国も日本の塾とは違うので、その違いを確かめながら読んでください。

要点

  • 1対1の指導では、指導者が説明を控えても、学ぶ側は同じように学べたという実験があります。
  • 足場かけの中心は、子の状態に合わせること、支えを少しずつ減らすこと、責任を子に移すことの3つです。
  • 12〜15歳の768人を調べた研究では、子が自分で取り組む時間が短い場面ほど、細かい手助けが成績を下げる方向でした。
  • コンピュータによる足場かけの144実験では全体に g = 0.46 の効果がありましたが、支えを減らす工夫の有無で効果は変わりませんでした。
  • ヒントの求め方は助言で良くなりますが、それだけで成績が上がるとは限りません。
  • 小学生が個別指導で頼りきりになるかを直接調べた研究は見つかっていません。

「手をかけすぎると自分で考えなくなる」という心配

個別指導の教室をのぞくと、講師が子の隣に座り、ノートの同じ行を指でなぞっている場面が見えます。手元を見てもらいながら進む授業は、わからないところをその場で消してくれるように見えます。だからこそ「この形に慣れると、自分では解かなくなる」という心配が出てきます。

この心配は、大きく2つに分けられます。1つは、わからないときに聞く相手がいつも隣にいることです。もう1つは、講師が先に答えの筋道を示してしまうことです。どちらも「手助けが多いほど、子が自分で考える練習が減る」という同じ前提に立っています。

保護者が見ているのは、授業のあとの子の様子です。家で宿題を開いたときに、最初の一歩を自分で踏み出せるかどうかが手がかりになります。そこが止まるなら、授業の中でも同じ止まり方が起きている可能性があります。

この前提は半分当たっていて、半分は的外れです。当たっているのは、子が自分で取り組む時間が短くなれば、考える練習そのものが減るという点です。的外れになりうるのは、手助けの量だけで決まるという点で、研究では手助けの渡し方と減らし方が別に調べられています。

ここから先は、「説明を控えると学びは減るのか」「支えを減らすことに意味はあるのか」「ヒントを求める力がつけば成績も上がるのか」の順に見ていきます。読み終わるころには、塾の授業で何を確かめればよいかが、いくつかの具体的な場面に絞られているはずです。その場面は、家での子の様子と重ねて見ることもできます。

1対1の指導で効いていたのは、説明の多さではなかった

1対1の指導がなぜ効くのかを調べた研究に、指導者の説明をわざと控えさせた実験があります。Chi(2001)は、指導者に説明と正誤の知らせを控えさせ、問いかけで子に考えさせるように指示しました。それでも学ぶ側の学生は、説明を受けた場合と同じように学べたという結果でした。

この結果が示すのは、1対1の効果が「良い説明を聞けること」だけではないという点です。説明を控えられた分、学生は自分で教材を読み、考える量を増やしていました。講師が話す時間が減った分を、子が自分で埋めたことになります。つまり、説明の量を減らしても、子が自分で進める時間がなければ同じことだということです。

ただし、この研究には条件があります。自分で読んで学べた量は、その子の読む力に左右されたというのです。読む力が育っていない子にとって、説明を控えることがそのまま良い結果になるとは限りません。ここは小学生の個別指導を考えるときに、いちばん引っかかる点です。

この研究から持ち帰れるのは「説明は少ないほうがよい」ではなく、「子が自分で読んで考える時間が、授業の中に残っているか」という見方です。講師が隣にいても、子が手を動かして考えている時間が長ければ、頼りきりの状態とは言えません。隣にいることと、任されていることは別だということです。見学のときも、講師の話し方のうまさより、子が自分の言葉で答えたり、手を動かしたりする場面の数を数えるほうが、判断の材料になります。

足場かけの中心は「合わせる・減らす・渡す」の3つ

教育の研究では、手助けを「足場かけ」と呼びます。建物を建てている間だけ組む足場と同じで、必要なところを支え、できあがったら外す手助けという意味です。言葉の由来を知ると、外すことが前提だとわかります。

van de Pol ほか(2010)は、教師と子のやりとりについての10年分の研究をまとめ、足場かけの特徴を3つに整理しました。1つは、その子の状態に合わせて手助けの量や種類を変えること。2つは、できるようになったら支えを少しずつ減らすこと。3つは、最後には子が自分で進められるように責任を移すことです。

この3つは、どれか1つだけでは成り立ちません。状態に合わせるだけで減らさなければ、手助けは残り続けます。減らすだけで状態を見なければ、まだ必要な支えまで外してしまいます。責任を移す段階がないと、子は支えてもらう時間の中で授業が終わってしまいます。

ただし、この総説自身が、効果を確かめた研究は少ないと認めています。足場かけは効果がありそうだとしたうえで、もっと研究が必要だという書き方です。定義の整理と、効果の証明は別の作業だということになります。

Puntambekar(2005)は、もっと手厳しい見方をしています。足場かけという言葉が、教師と子のやりとりから教材やソフトの支援へ広がるにつれて、子の状態を見続けること、支えの量を合わせること、支えを外すことが抜け落ちてきたと指摘しました。言葉だけが独り歩きすると、外す設計のない「教えてもらう時間」が足場かけと呼ばれてしまいます。

2本を並べると、塾で見るべき点がはっきりします。手助けがあるかどうかではなく、その手助けが子の状態に合わせて変わり、学期の終わりに向けて減っていくかどうかです。研修の名前や教材の有無より、外れていく筋道があるかを見ることになります。

手助けが多い場面では、細かい手助けが逆効果になった

足場かけを実際の授業で試した研究に、van de Pol ほか(2015)があります。オランダの中等教育の社会科で、教師30人と12〜15歳の生徒768人が参加しました。足場かけの研修を受けた教師の授業を、子が自分で取り組む時間の長さごとに分けて比べています。

結果は、足場かけがいつでも効くわけではないというものでした。子が自分で取り組む時間が短く、手助けが頻繁に入る場面では、子に合わせた細かい手助けが、かえって成績の低さと結びついていました。逆に、子が自分で取り組む時間が長い場面では、子に合わせた手助けが有利でした。

同じ「子に合わせた手助け」が、場面によって逆の働きをしたことになります。著者らは、効果は子が自分で取り組む時間と、課題への取り組み方によって変わると結論しています。手助けの中身より、手助けが入る前に子がどれだけ自分で進めているかのほうが大きい、という読み方ができます。

ここで見ておきたいのは、この研究が12〜15歳の社会科の授業だという点です。小学生の教室とは学年も教科も違います。その違いを頭に置いても、「手助けの前に自分で進む時間があるか」という観点は、年齢を問わず確かめられるものです。

手助けへの心配 子が取り組む時間と成果 支援の比較条件 調べた学び手
個別指導は手をかけすぎると頼りきりになる 子が自分で取り組む時間が短い場面では、細かい手助けが成績の低さと結びついた 子が自分で取り組む時間が長い場面 オランダの12〜15歳、768人
手助けは多いほど安心できる 自分で取り組む時間が長い場面では、子に合わせた手助けが有利だった 手助けが頻繁に入る場面 同上
講師の説明は多いほうが学べる 説明を控えても同じように学べたが、読む力に左右された 説明を控えない場合 1対1の指導の実験

支えを減らす工夫は、効果を押し上げなかった

支えを外すことにどれだけ意味があるのかは、別の角度からも調べられています。足場かけの効果そのものは、多くの研究で確かめられてきました。Belland ほか(2017)は、理数系の教育で使われるコンピュータによる足場かけの144実験、333の成果をまとめたメタ分析(複数の研究の結果をまとめて計算し直す方法)を行いました。研究ごとのばらつきをならして、全体の効果を見た形です。

Belland ほか(2017)の全体の効果は g = 0.46 で、足場かけがある程度は効くことを示しています。ところが、支えを少しずつ減らす(または増やす)工夫がある場合とない場合で、認知面の効果は変わらなかったといいます。足場かけは効くが、外していくことが効果の源ではない、という結果です。

この結果は、足場かけの理論とぶつかります。理論では、支えを減らして子に渡すことが中心のはずでした。にもかかわらず、減らす工夫の有無で差が出なかったのです。著者らは、文脈への合わせ方や、減らし方の筋道の違いでも効果は変わらなかったと書いています。

ここから言えるのは、支えを減らす設計は、それだけで効果を押し上げるものではないということです。ただし、この研究の足場かけはコンピュータの教材によるもので、人対人の授業とは道具が違います。外す設計を理念として掲げるだけでは、成績の変化にはつながりにくいという見方は残ります。どの場面でどの支えを外すのかを決めずに、教材だけを替えても、同じ結果になりやすいということです。

ヒントの求め方が直っても、成績は上がらなかった

頼りきりを別の言葉で言えば、わからないときにヒントを求める力が育っていない状態です。この力そのものを伸ばせるかは、コンピュータの個別指導の研究で確かめられています。ヒントの使い方に助言を返す仕組みが、何を変えるのかを見た研究です。

Aleven ほか(2016)は、その仕組みを振り返っています。助言を受けた生徒は、ヒントをより慎重に使うようになり、助言をやめた後もその使い方が続きました。しかし、教科の成績は良くならなかったといいます。求め方を直すことと、学力が伸びることは別だったわけです。

Roll ほか(2011)は、アメリカの高校の図形の授業でこの仕組みを試しました。1つ目の研究には58人、2つ目の研究には67人が参加しています。ヒントの求め方が良くなり、支援をやめた後の1か月の新しい単元でも、その求め方が続いたという結果でした。

ただし、この研究の抄録には、成績が上がったかどうかは書かれていません。続いたのは求め方であって、点数ではない可能性があります。ここを混同すると、ヒントの使い方が上手になった子を見て、学力がついたと受け取ってしまいます。求め方が良くなったことと、内容が身についたことを、同じ到達点として扱わないほうが安全です。

2本を並べると、家庭で見るべき点が変わります。ヒントを求める回数や上手さではなく、ヒントを受けた後に、子が自分で説明し直せるかどうかです。説明が詰まるところは、まだ支えが要る場所だと言えます。

「依存」が心配なときに、家で確かめられること

ここまでの研究は、中学生や高校生、大学生の授業やコンピュータの教材が中心でした。その観点を、家で確かめられる形に置きかえます。見るのは、手助けの量ではなく、子が自分で進む時間と、支えが外れていく向きです。

1つ目は、子が一人で解く時間が授業の中にあるかです。講師が説明している時間と、子が手を動かして考えている時間の長さを、見学や面談で聞いてみてください。子が自分で取り組む時間が短い場面では、細かい手助けが逆効果だったという研究があります(van de Pol ほか、2015)。

2つ目は、ヒントの回数が学期の中で減っているかです。回数そのものより、減っていく向きがあるかを見ます。ただし、ヒントの使い方が上手になっても成績は上がらなかったという研究(Aleven ほか、2016)があるので、回数だけで判断はできません。

3つ目は、家で一人で始められる課題が出ているかです。塾の宿題が、講師の説明がないと手が止まるものばかりなら、授業の中の支えが家まで持ち越されています。最初の一歩を子が自分で決められる課題なら、支えは外れ始めていると考えられます。

確かめること 見る場面 頼りきりを疑うしるし
子が一人で解く時間 見学・面談 講師の説明が授業の大半を占め、子が手を動かす時間が短い
ヒントの回数の向き 学期ごとの面談 回数が減らず、難しい問題だけ講師に任せている
家で一人で始められる課題 宿題の出方 説明がないと最初の一歩が踏み出せない

4つ目は、支えを減らす予定が言葉になっているかです。どの単元ができるようになったら次はどこまで自分でやるのかを、講師が言葉にできるかどうかが問われます。足場かけの研究では、状態に合わせること、減らすこと、責任を移すことの3つがそろって初めて意味を持ちます(van de Pol ほか、2010)。予定が口に出ないまま、毎回その場で助けてもらう形が続いていれば、支えは外れていません。

次の面談では、子が一人で解いた課題と、次に減らせそうな手助けを講師に聞きます。家では同じ課題にどこまで取りかかれたかを記録すると、相談の焦点が定まります。

よくある質問

小学生でも、個別指導に通えば自分から勉強するようになりますか

自分から勉強するようになるかを決めるのは、通うこと自体ではなく、授業の中で一人で解く時間があるかどうかです。12〜15歳の768人を調べた研究では、子が自分で取り組む時間が短い場面ほど、細かい手助けが成績の低さと結びつきました。見学のときは、講師の説明と子の手を動かす時間の配分を聞いてください。

講師がすぐに教えてくれる塾は、選ばないほうがよいですか

すぐ教えること自体が悪いと決まったわけではありません。説明を控えても学べたという実験(Chi、2001)はありますが、自分で読んで学べた量は読む力に左右されました。見るべきは、説明の前に子が考える時間が挟まれているかです。説明の速さより、順番を見てください。

家で「自分でやりなさい」と言うのは、逆効果になりますか

いきなり突き放すと、子は何から始めればよいかわからないまま止まります。最初の一歩だけ一緒に決めて、そこから先を子に任せるほうが、始めるまでの時間は短くなります。少なくとも、塾で一人で解く時間がどれだけあるかを確かめてから家での声かけを変えると、無理なく進められます。

支えを減らすのは、いつごろから意識すればよいですか

区切りは、単元の終わりと学期の変わり目です。そのたびに、次はどこまで自分でやるかを講師と決めておくと、支えを減らす話が具体的になります。足場かけの研究では、状態に合わせること、減らすこと、責任を移すことの3つがそろっているかが問われていました(van de Pol ほか、2010)。

この記事の限界

中高生や大学生、コンピュータの教材を使う学び手を含む研究が中心で、小学生が個別指導に通うことで講師に頼りきりになるかを直接測った研究は今回の根拠にありません。人が説明する場面とソフトがヒントを出す場面では支え方が異なり、助言を減らす工夫を同じ方法として扱うこともできません。

測られた教科の成果、ヒントの求め方、手助けへの評価は別の指標なので、助けを求める行動が変わったことだけから、家で自分から勉強を始める力まで育ったとは判断できません。武蔵境の個別授業に当てはめる際には、課題の難しさと一人で取り組めた範囲を講師に確認し、家でも学校でも取りかかりに困る状態が続けば、学校の先生と支援の必要な場面を整理することが大切です。

参考文献

  1. Chi MT ほか. Learning from human tutoring. Cognitive Science. 2001;25(4):471-533.
  2. Puntambekar S. Tools for Scaffolding Students in a Complex Learning Environment: What Have We Gained and What Have We Missed? Educational Psychologist. 2005;40(1):1-12.
  3. van de Pol J ほか. Scaffolding in Teacher-Student Interaction: A Decade of Research. Educational Psychology Review. 2010;22(3):271-296.
  4. Roll I ほか. Improving Students’ Help-Seeking Skills Using Metacognitive Feedback in an Intelligent Tutoring System. Learning and Instruction. 2011;21(2):267-280.
  5. van de Pol J ほか. The Effects of Scaffolding in the Classroom: Support Contingency and Student Independent Working Time in Relation to Student Achievement, Task Effort and Appreciation of Support. Instructional Science. 2015;43(5):615-641.
  6. Aleven V ほか. Help Helps, but Only so Much: Research on Help Seeking with Intelligent Tutoring Systems. International Journal of Artificial Intelligence in Education. 2016;26(1):205-223.
  7. Belland BR ほか. Synthesizing Results From Empirical Research on Computer-Based Scaffolding in STEM Education: A Meta-Analysis. Review of Educational Research. 2017;87(2):309-344.

通知表の数字の手前で止まっている一問から、講師と二人で始める。

  • 向く人: 内申が気になり始めたのに、どの教科のどこで止まっているのかを、子も保護者も言葉にできていない中学生
  • 向く人: 通塾の日だけ机に向かい、ほかの日の学習習慣が続かないことを、授業の中で一緒に組み直したい家庭
  • 向かない人: 英検や内申の結果を、通う回数を増やすことだけで変えたいと考えている家庭
  • 向かない人: 一人の講師と向き合うより、大勢と競い合いながら速い進度で先へ進みたい人

このサイトは武蔵野個別指導塾の運営者が制作しています。武蔵境駅から徒歩30秒、講師が一人の生徒に付きっきりの完全1対1で、大学教員や東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学の大学院生などが教えます。アルバイト講師はいません。

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よくある質問

小学生でも、個別指導に通えば自分から勉強するようになりますか

自分から勉強するようになるかを決めるのは、通うこと自体ではなく、授業の中で一人で解く時間があるかどうかです。12〜15歳の768人を調べた研究では、子が自分で取り組む時間が短い場面ほど、細かい手助けが成績の低さと結びつきました。見学のときは、講師の説明と子の手を動かす時間の配分を聞いてください。

講師がすぐに教えてくれる塾は、選ばないほうがよいですか

すぐ教えること自体が悪いと決まったわけではありません。説明を控えても学べたという実験(Chi、2001)はありますが、自分で読んで学べた量は読む力に左右されました。見るべきは、説明の前に子が考える時間が挟まれているかです。説明の速さより、順番を見てください。

家で「自分でやりなさい」と言うのは、逆効果になりますか

いきなり突き放すと、子は何から始めればよいかわからないまま止まります。最初の一歩だけ一緒に決めて、そこから先を子に任せるほうが、始めるまでの時間は短くなります。少なくとも、塾で一人で解く時間がどれだけあるかを確かめてから家での声かけを変えると、無理なく進められます。

支えを減らすのは、いつごろから意識すればよいですか

区切りは、単元の終わりと学期の変わり目です。そのたびに、次はどこまで自分でやるかを講師と決めておくと、支えを減らす話が具体的になります。足場かけの研究では、状態に合わせること、減らすこと、責任を移すことの3つがそろっているかが問われていました(van de Pol ほか、2010)。