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公開:2026年9月11日/最終更新:2026年10月18日

担当が毎回変わる個別塾と同じ人が続く個別塾|持ち上がりの研究

武蔵境駅の北口で待ち合わせる前に、家族で個別塾の担当の決まり方を相談する場面を考えます。毎回担当を選ぶ方式と、同じ講師が続く方式では、子にとってどちらがよいのでしょうか。同じ人なら話しやすいと思う一方、合わないときに変更できるかも気になります。ここでは特定の塾の案内を引用せず、学校の担任が続く場合と替わる場合の研究から、確認する点を整理します。

この記事の要点
  • Cistone ほか(2004)とTourigny ほか(2020)では、持ち上がりの組で成績が高い結果でした。
  • Ronfeldt ほか(2013)では、教師の入れ替わりが多い学年ほど、英語と算数の成績が低い結果でした。
  • Tourigny ほか(2020)では、教師と子の関係について持ち上がりが有利という明確な証拠はありませんでした。
  • Judge(2006)では、幼児の対人・社会面は持ち上がりの子が高く、数の考え方は毎年教師が替わる子が高い結果でした。
  • 塾では、担当を変更する手順と、前回の学習の情報が次の担当へ渡るかを確認します。

担当が毎回変わる個別塾と同じ人が続く個別塾|持ち上がりの研究

武蔵境駅の北口で待ち合わせる前に、家族で個別塾の担当の決まり方を相談する場面を考えます。毎回担当を選ぶ方式と、同じ講師が続く方式では、子にとってどちらがよいのでしょうか。同じ人なら話しやすいと思う一方、合わないときに変更できるかも気になります。ここでは特定の塾の案内を引用せず、学校の担任が続く場合と替わる場合の研究から、確認する点を整理します。

担当が続くことには利点がある可能性がありますが、継続だけで判断せず、変更できる方法と授業の記録の引き継ぎを確かめます。 学校の持ち上がりで成績が高かった研究はある一方、教師と子の関係まで良くなったとは限りません。幼児の研究では、測る内容によって交替した子のほうが高い結果もあります。続くことの利点と、替わることの影響を、比べた相手に沿って読む必要があります。

以下では、持ち上がりと入れ替わりを扱った研究を並べます。数字の大小を比べる前に、対象となった子と、何を測った結果かを確認します。そのうえで、塾の担当について面談で聞くことを具体的にします。

要点

  • Cistone ほか(2004)とTourigny ほか(2020)では、持ち上がりの組で成績が高い結果でした。
  • Ronfeldt ほか(2013)では、教師の入れ替わりが多い学年ほど、英語と算数の成績が低い結果でした。
  • Tourigny ほか(2020)では、教師と子の関係について持ち上がりが有利という明確な証拠はありませんでした。
  • Judge(2006)では、幼児の対人・社会面は持ち上がりの子が高く、数の考え方は毎年教師が替わる子が高い結果でした。
  • 塾では、担当を変更する手順と、前回の学習の情報が次の担当へ渡るかを確認します。

同じ担当が続くことに何を期待するか

担当が続く方式を考えるとき、子が慣れた相手と話せることを期待する家庭もあるでしょう。一方で、説明が合わないまま同じ担当が続くのは心配だという見方もあります。まずは、継続に期待することと、変更できないことへの心配を分けて書き出します。担当の決まり方だけでなく、本人が困ったときに相談する方法も候補の塾に聞きます。

学校の研究でいう持ち上がりは、同じ教師が同じ子たちを複数学年続けて受け持つことです。これに対して、毎年教師が替わる学級を比べた研究があります。また、学年全体で教師がどれほど入れ替わったかを調べる研究もあります。担当の継続という言葉が共通していても、比べているものは同じではありません。

塾の担当が続くという説明は、配置の仕組みについての情報です。それだけで、成績や関係の良さへの効果まで確定するわけではありません。候補を比べる際は、継続する予定かどうかと、困ったときにどう対応するかを別々に確認します。変更を希望する窓口や、変更後の学習内容を誰が把握するかまで聞くと、具体的な相談になります。

同じ担当を望む理由も、子と話してみます。話しやすさを求めているのか、前回と同じ説明で続けたいのか、毎回自己紹介をするのが負担なのかを、決めつけずに尋ねます。理由がわかれば、担当を固定する希望だけでなく、授業の始め方についても相談できます。これらは家庭で希望を整理する作業で、研究が特定の方式を推奨した結果ではありません。

持ち上がりで成績が良かった研究

Cistone ほか(2004)は、米国の大きな都市の学区で持ち上がりを評価しました。同じ教師が続く組は、条件を合わせた比較の組より、学力の成績、出席、進級の見込みが良い結果でした。校長と教師の多くも効果を感じていたと報告されています。ただし、今回の資料には比べ方の詳細がなく、成績差が生じた仕組みまで説明されているわけではありません。

カナダの小学校を扱ったTourigny ほか(2020)は、持ち上がりの組と毎年教師が替わる組を、教師の特徴をそろえて比べました。持ち上がりの子は、算数と作文の成績が高い結果でした。教師の特徴を考慮して比較した点と、何の成績に差があったかを合わせて読みます。持ち上がりならすべての教科で同じ利点があると広げることは避けます。

この両研究に共通するのは、持ち上がりの組で成績が良かったという結果です。前回の続きから始められたから成績が高かった、という理由までは今回の資料に示されていません。同じ教師が子のつまずきを覚えているという説明を、研究で確認された仕組みとして書くことはできません。継続の結果と、その理由の説明を分ける必要があります。

塾を比べるときには、継続する担当がどの記録を残すかを尋ねます。前回の課題や解き直す問題を確認できるか、本人が困った点を次回に相談できるかを聞く方法があります。同じ人が続くかどうかに加え、授業の中で何を確認しているかを知るための質問です。記録の引き継ぎによって成績がどれだけ変わるかを、この両研究が測ったわけではありません。

教師の入れ替わりを学年全体で調べた研究

Ronfeldt ほか(2013)は、米国ニューヨーク市の小学4・5年生について、8年にわたる延べ850,000件以上の観測を扱っています。学年の教師の入れ替わりが多いほど、その学年の英語と算数の成績は低い結果でした。入れ替わりによる影響は、来る教師の質の違いだけでは説明できず、入れ替わりそのものが学年を乱す効果があるとしています。

この研究の単位は、個々の子と担当者の組み合わせだけではなく、学年という集まりです。塾で授業ごとに講師が替わることと、学校の学年で教師が入れ替わることを同じ扱いにはできません。学年全体の結果を、そのまま本人の担当交替の影響と読むことも避けます。交替の時期や、誰が替わったかを含めて区別する必要があります。

研究が学年を乱す効果を示唆したとしても、その内訳を自由に補うことはできません。隣の学級の担任が替わって行事が遅れた、教室の空気が変わった、といった具体的な経路は今回の資料から確認できません。研究で示されたのは、入れ替わりの多さと成績の関係、および教師の質の違いだけでは説明できない影響です。個別の場面の説明は、現場の記録に戻って確かめます。

担当の変更があったときは、変更の理由と、次回の授業内容を誰が確認するかを塾に尋ねます。変更があったという事実だけで、成績が下がると予想するためではありません。本人が前回と同じ説明を繰り返し求められていないかなど、実際の困りごとを話すためです。学年全体の研究を、交替への不安を強める数字として使わないようにします。

続ければよいとは限らない結果もあります

Judge(2006)は、米国の不利な家庭の子を対象とする幼児教育で、持ち上がりと毎年の交替を比べました。対象は、同じ教師だった4歳児59人と、毎年教師が替わった4歳児167人です。持ち上がりの子は、対人面と社会面の発達で高い結果でした。一方、数の考え方では、毎年教師が替わった子のほうが高い結果でした。

先に挙げたTourigny ほか(2020)でも、成績と教師との関係では結果がそろいませんでした。算数と作文の成績は持ち上がりの子が高かったものの、教師と子の関係について、どちらが良いとも明確ではありませんでした。同じ人が続けば関係も良くなると、成績の結果から推し量ることはできません。本人が質問できるか、説明について相談できるかは別に確認します。

継続への期待 研究で言えること 比べた相手 対象
続けば成績が高くなります Tourigny ほか(2020)では算数と作文の成績が高い結果でした 毎年教師が替わる組 カナダの小学生
交替の影響は新しい教師の質だけです Ronfeldt ほか(2013)では質の違いだけで説明できない影響が示されました 入れ替わりの多さが違う学年 ニューヨーク市の小学4・5年生
続けば関係も良くなります Tourigny ほか(2020)では継続に有利な明確な証拠はありませんでした 毎年教師が替わる組 カナダの小学生
継続はどの面にも有利です Judge(2006)では数の考え方は毎年替わる子が高い結果でした 持ち上がりの組 米国の幼児

成績、関係の良さ、数の考え方は、同じ結果の言い換えではありません。何を重視して担当の方式を選ぶかによって、確かめる内容も変わります。関係を重視するなら、担当が続く予定だけで安心せず、本人が困ったことを話せるかを確認します。

合わない担当が続く場合の害を、この比較から数値で見積もることはできません。本人が質問をためらっているなら、継続の平均的な利点を理由に我慢させる判断は避けます。どの説明で困ったかを具体的に伝え、説明の変え方や担当変更について相談します。継続か交替かを決める前に、今起きている困りごとを共有します。

塾の担当について確認する項目

塾の個別授業で担当が続く場合と毎回替わる場合を直接比べた研究は、今回の根拠にはありません。そのため、学校での持ち上がりを、塾の特定の方式の効果として示すことはできません。ここからは研究結果の説明と分けて、家庭で仕組みを確認する方法を示します。

まず、担当の予定と、変更が起きる条件を尋ねます。曜日や教科で担当が違うのか、学期の区切りで替わるのかを確認します。予定が変わった場合に、いつ、誰から知らせがあるかも聞きます。方式の名前だけでは見えない、実際の連絡の流れを知るためです。

次に、前回の学習内容を次の担当が確認する方法を尋ねます。宿題の進み具合、止まった問題、次に扱う単元が記録されるかを確かめます。記録を見せてもらえる場合は、本人のノートと内容が対応しているかも確認できます。これは引き継ぎの効果を研究の数字で保証する質問ではなく、学習内容を共有する方法を知る質問です。

同じ担当が続く場合には、合わなかったときの相談方法も聞きます。誰に伝えるのか、変更を希望した後はどのように話し合うのかを確認します。担当本人に直接言いにくい子なら、別の相談先があるかを尋ねる方法もあります。継続への希望と変更への希望を、どちらも伝えられる仕組みかを見ることになります。

家庭で記録して、次の授業につなげる

面談の前には、本人が困った問題と、相談したい内容を短く書き出します。担当への評価を漠然と伝えるより、どの場面で説明が合わなかったかを示す方法があります。本人が話したくない場合には、ノートの該当箇所を一緒に確認するところから始めます。すべての授業を細かく監視する必要はありません。

  • 担当が替わる時期や理由を塾に聞きます。
  • 前回の課題と宿題が次の担当に伝わる方法を確認します。
  • 同じ担当が続く場合の変更の手順を尋ねます。
  • 本人が質問しにくい場面があったかを聞きます。
  • 相談した問題を次の授業でどう扱うか確認します。

家では、授業の後に、まだ難しいと感じる問題を本人に選んでもらいます。説明の正誤をその場で問い詰めるのではなく、次回に何を聞きたいかを一緒にメモします。担当が替わった場合には、そのメモが新しい担当に伝わったかを確かめます。記録は、担当を続けるか替えるかの採点表ではなく、困りごとを共有する材料として使います。

同じ担当が続いていても、困った点が解消したかは折に触れて確認します。本人が以前より質問しやすくなったか、同じ問題を解き直す機会があったかを聞く方法があります。成績の変化だけを担当の継続や交替のせいにせず、実際に扱った内容も残しておきます。

担当が替わった回の後には、前回のつまずきが講師に伝わっていたかを子に聞きます。伝わっていなければ該当するノートを示します。次の授業で扱う問題を、講師と具体的に確かめます。

よくある質問

講師が毎回変わると、子どもは落ち着かないでしょうか。

Ronfeldt ほか(2013)が調べたのは、学校の学年全体での教師の入れ替わりと成績です。塾で毎回担当が替わる子の落ち着かなさを直接測った結果ではありません。本人が負担を感じているなら、授業の始め方や前回の内容の確認方法を聞き、困った場面を塾に伝えます。

同じ講師が続けば、成績は上がりやすいのでしょうか。

Cistone ほか(2004)とTourigny ほか(2020)では、学校の持ち上がりの組で成績が高い結果でした。塾の個別授業の継続について、同じ効果を確認したものではありません。関係の良さも自動的には決まらないため、本人が質問できているかと、何を学んだかを合わせて確かめます。

合わない講師が続くときは、どうすればよいでしょうか。

担当を替える手順と、替える場合に学習内容を引き継ぐ方法を塾に尋ねます。本人が困った説明や、質問しにくかった場面を、ノートとともに伝える方法があります。変更するかどうかの結論だけを急がず、今の困りごとにどのように対応するかを話し合います。

この記事の限界

米国とカナダの幼児や小学生が対象で、学校の学級担任が続く場合や教師の入れ替わりを扱っています。持ち上がりの学級の比較と、学年全体の入れ替わりの分析では、比較の単位も違います。子と指導者が過ごす時間や担当の役割が異なるため、武蔵境の個別塾で毎回講師が替わる場合の効果を、そのまま見積もることはできません。

成績が高かった研究でも、教師との関係に有利な結果がそろうわけではありません。合わない担当が続く場合の害や、記録の引き継ぎによる成績の違いも、今回の資料だけでは評価できません。授業で困っていても子が相談しにくい状態なら、継続する理由だけで判断せず、別の相談先や担当変更の方法を塾に確かめる必要があります。

参考文献

  1. Cistone ほか. Looping: An Empirical Evaluation. International Journal of Educational Policy, Research, and Practice. 2004.
  2. Tourigny ほか. Do Students in a Looping Classroom Get Higher Grades and Report a Better Teacher-Student Relationship than Those in a Traditional Setting?. Educational Studies. 2020;46(6):744-759.
  3. Ronfeldt ほか. How Teacher Turnover Harms Student Achievement. American Educational Research Journal. 2013;50(1):4-36.
  4. Judge. Does Looping Make a Difference? The Impact of Preschool Looping on Child Outcomes. NHSA Dialog. 2006;9(1):12-21.

通知表の数字の手前で止まっている一問から、講師と二人で始める。

  • 向く人: 内申が気になり始めたのに、どの教科のどこで止まっているのかを、子も保護者も言葉にできていない中学生
  • 向く人: 通塾の日だけ机に向かい、ほかの日の学習習慣が続かないことを、授業の中で一緒に組み直したい家庭
  • 向かない人: 英検や内申の結果を、通う回数を増やすことだけで変えたいと考えている家庭
  • 向かない人: 一人の講師と向き合うより、大勢と競い合いながら速い進度で先へ進みたい人

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よくある質問

講師が毎回変わると、子どもは落ち着かないでしょうか。

Ronfeldt ほか(2013)が調べたのは、学校の学年全体での教師の入れ替わりと成績です。塾で毎回担当が替わる子の落ち着かなさを直接測った結果ではありません。本人が負担を感じているなら、授業の始め方や前回の内容の確認方法を聞き、困った場面を塾に伝えます。

同じ講師が続けば、成績は上がりやすいのでしょうか。

Cistone ほか(2004)とTourigny ほか(2020)では、学校の持ち上がりの組で成績が高い結果でした。塾の個別授業の継続について、同じ効果を確認したものではありません。関係の良さも自動的には決まらないため、本人が質問できているかと、何を学んだかを合わせて確かめます。

合わない講師が続くときは、どうすればよいでしょうか。

担当を替える手順と、替える場合に学習内容を引き継ぐ方法を塾に尋ねます。本人が困った説明や、質問しにくかった場面を、ノートとともに伝える方法があります。変更するかどうかの結論だけを急がず、今の困りごとにどのように対応するかを話し合います。