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公開:2026年9月11日/最終更新:2026年11月5日

25分ごとに休むと勉強は続くか|休憩の入れ方の研究と学習習慣

子ども部屋で、子が解きかけの問題を前にタイマーへ手を伸ばしています。Biwer ほか(2023)は、あらかじめ決めた規則的な休憩には、自分で休む時点を決める方法と比べて気分の利点があり、同程度の課題を短い時間で終えるという効率面の利点もあるようだと結論づけています。こうした話を聞くと、決まった時間に休めば子どもの勉強も続くのか、休憩中はスマホを見てよいのかと気になります。定時の休憩が点数を上げる証拠はなく、気分や集中にとってどちらの休み方がよいかも研究で割れています。

この記事の要点
  • 決まった間隔で休む方法と、自分で休む時点を選ぶ方法が主な比較です。
  • 気分の評定、課題の終了量、理解度の試験は別の指標です。
  • 子どもを対象にした研究では、授業中の運動を含む休憩が扱われています。
  • 家庭で試す際は、休憩の長さ、終えた問題、再開の様子を記録します。

25分ごとに休むと勉強は続くか|休憩の入れ方の研究と学習習慣

子ども部屋で、子が解きかけの問題を前にタイマーへ手を伸ばしています。Biwer ほか(2023)は、あらかじめ決めた規則的な休憩には、自分で休む時点を決める方法と比べて気分の利点があり、同程度の課題を短い時間で終えるという効率面の利点もあるようだと結論づけています。こうした話を聞くと、決まった時間に休めば子どもの勉強も続くのか、休憩中はスマホを見てよいのかと気になります。定時の休憩が点数を上げる証拠はなく、気分や集中にとってどちらの休み方がよいかも研究で割れています。

休憩の評価には、取りかかりやすさ、勉強中の疲れ、終えた課題の量、学んだ内容の理解といった別々の面があります。タイマーどおりに教材を開き直した日でも、難しい文章の意味まで理解できたかは別に確かめる話です。また、大学生が自習の途中で休む試験と、小学生が授業中に体を動かす試験では、休憩に含まれる行動が違います。区切り方の名前だけで選ぶ前に、何と何を比べて、どの変化を測った研究なのかを見ていきます。

要点

  • 決まった間隔で休む方法と、自分で休む時点を選ぶ方法が主な比較です。
  • 気分の評定、課題の終了量、理解度の試験は別の指標です。
  • 子どもを対象にした研究では、授業中の運動を含む休憩が扱われています。
  • 家庭で試す際は、休憩の長さ、終えた問題、再開の様子を記録します。

ポモドーロ勉強法は、何と比べられているか

ポモドーロと呼ばれる勉強法は、勉強する時間と休む時間をあらかじめ区切るやり方です。Smits ほか(2025)が設けた条件では、25分勉強した後に5分休んでいます。一方、比べる相手には、自分で休憩の時点を決める方法が置かれています。休憩をまったく取らずに続ける方法との比較だと思うと、結果の意味が変わってしまいます。

Biwer ほか(2023)がオランダの大学の学部生と修士課程の学生に行った自習の比較では、24分の勉強に6分の休憩を入れる組と、12分の勉強に3分の休憩を入れる組がありました。別の組は休む時点を自分で決めました。課題への労力と終了量には差がなく、区切りを固定した側が多くの課題を終えたという結果ではありません。自習を終えるまでにかかった時間と、終えた量は分けて扱われています。

研究の中で「できた」と呼ぶものもそろっていません。本人が答える集中の程度は、そのときの経験を測るもので、正答を採点する試験とは測り方が違います。課題が終わったという記録には進み具合が表れますが、覚えたことを後で使えるかという問いは残ります。下の表は、結果の優劣を並べる前に、比較の条件と評価の違いを見渡すためのものです。

比べた休憩 対象 期間 差が出たもの 差が出なかったもの
時間で区切る方法と自分で調整する方法(Smits ほか(2025)) 大学生 勉強のセッション中 定時群で疲れの増加と意欲の低下が速い 疲れと意欲の全体水準・生産性・終了量・没頭
定時の短い休憩と自由な休憩(Göksu ほか(2026)) 大学生 読解課題の実施中 自由な休憩で活力・集中・意欲が高く、気の散りが少ない 理解度の成績に有意差なし

自習の気分と、読解の点数は同じ動きをしない

Smits ほか(2025)は、大学生が実際に勉強する場で休憩の取り方を比較しました。表にある「変化の速さ」は、疲れや意欲が勉強の進行につれてどのように動くかを扱います。「全体水準」は、その勉強中の疲れや意欲を全体として捉える指標です。時間とともに変化する傾きを問うのか、全体的な状態を問うのかによって、同じ参加者の回答でも分析の問いが異なります。

Göksu ほか(2026)は、大学生176人に気候変動についての読解課題を行ってもらいました。参加者は勉強の途中で繰り返し気分を評定し、理解度の試験を受け、自由に記述する質問にも答えました。ここでは、学習中の自己評定と、文章を読んだ後の理解の確かめ方が組み合わされています。表の有意な差とは、偶然のばらつきだけでは説明しにくいと、統計上の基準で判断された差を指します。

読解の試験について、著者は成績を測る方法の感度に限界があった可能性を挙げています。感度は、実際に違いがあった場合に、それを測定で捉えられるかという問題です。細かな理解の差まで捉える試験なのかによって、同じ点数という結果の解釈も変わります。参加者の主観を繰り返し尋ねる設計と、理解を試験で確かめる設計には、それぞれ測れる内容の違いがあります。

自分の課題を進める自習と、共通の文章を読む課題では、取り組む内容のそろい方が異なります。前者では各自の課題の進行を扱い、後者では読んだ内容への理解を試験で扱っています。また、勉強をやめる時点を自分で選べる条件は、時計に従う条件と休憩の決め方そのものが違います。結果の向きが割れた理由を特定するには、こうした条件をそろえた比較が求められます。

短い休憩の効果は、課題の負担によって違う

Albulescu ほか(2022)は、短い休憩を挟む実験や準実験をメタ分析でまとめました。準実験は、くじ引きによる割り当てなどを十分に行わずに介入を比べる研究で、メタ分析は複数の研究の結果をまとめて計算し直す方法です。活力を高める効果はd = .36、疲れを減らす効果はd = .35で、統計的に有意ですが小さい効果でした。dは効果量の記号で、差の大きさをデータのばらつきを物差しにして表しています。

同じ分析では、課題の成績全体を上げる効果は統計的に有意ではありませんでした。課題の種類ごとに分けると、頭を使う負担の少ない課題でのみ、成績に有意な効果が出ていました。負担の大きい作業の後は回復に長い休憩を要する可能性を、著者は結論で挙げています。短い休憩を挟んだという共通点があっても、作業内容まで同じではありません。

ここでの成績は、学校の定期テストの点という意味に限らず、実験で行った課題の仕上がりを含みます。休憩が気分によい影響を持つことと、難しい課題の正確さを高めることは、別々の結果として扱われています。また、この分析はポモドーロという特定の区切り方だけを集めたものではありません。一定の間隔が最適かどうかを決める比較とも異なります。

負担が小さい作業で得た利点を、考え込む必要のある問題の成績に広げると、比較した課題の違いが消えてしまいます。計算の途中式をつなぐ問題や、文章全体の関係を追う読解には、作業の途中で区切りを迎える場合があります。その子が区切りを負担に感じるなら、時計に合わせる取り組み方が目的に合わない可能性があります。休憩の有無だけでなく、どの作業を中断するかも、方法を検討する際の条件です。

小学生の運動休憩には、授業中の行動を測る研究がある

Masini ほか(2020)は、小学校で授業の合間に体を動かす休憩を入れた研究を系統的レビューで調べました。系統的レビューは、あらかじめ決めた基準で研究を集めて検討する方法です。授業の課題に向かっている時間は、その行動を扱った各研究で増えていました。一方、認知機能や数学・読解などの学力については、研究間で結果が割れていました。

Mavilidi ほか(2020)は、オーストラリアの小学校で、算数の授業に運動の休憩を組み込んで比較しました。実施したのは週3回、4週で、授業の初めに2分、途中に3分、計5分の運動でした。算数の内容を運動に組み込む方法と、運動だけを行う方法があり、対照の組も設けています。授業への取り組みが改善し、算数の点では運動だけを行う組と対照の間にも有意な差が出ました。

この試験の比較には、休む時点だけでなく、体を動かす活動の追加が含まれています。運動に算数の内容を重ねる条件もあり、勉強から離れて座って待つ条件を比べたものではありません。授業の始めと途中という位置づけにも特徴があります。学校内の小規模な試験なので、教室や学習内容の違いを広く取り込んだ比較とは性格が異なります。

Melguizo-Ibáñez ほか(2026)は、6〜16歳の7,701人を含む、授業中の運動休憩のメタ分析を行いました。作業記憶、つまり情報を一時的に覚えながら処理する力には、g = 0.14の小さな有意な効果がありました。gも差の大きさを示す効果量ですが、注意や抑制、数学の結果など、ほかの認知面と学力面には有意な効果がありませんでした。教室での行動、頭の働き、教科の得点を、同じ「集中力」という言葉でまとめると、この違いが見えなくなります。

休憩中の画面は、何を見たかまで含めて考える

Grobelny ほか(2024)が調べたのは、働く人308人の、事務作業後の短い休憩です。実験は、分析などの計画を先に登録する事前登録の形で行われました。休憩中にSNSの動画を見ると、ある程度は回復するものの、とくに疲れは回復しきらず、自然を見る条件のほうがよい結果でした。ここで操作された内容はSNSの動画であり、スマホで行う活動すべてをまとめて試したものではありません。

この比較の対象は、勉強している子どもではなく、仕事をした後の成人です。また、画面に触れたかどうかだけを調べる問いと、休憩中にどんな内容に接したかを調べる問いも異なります。自然を見る条件を比べる相手に置くと、休憩そのものの有無に加え、過ごし方の違いが結果に含まれます。端末を持っていたという共通点だけで結果を一括りにすると、何を変えた実験かが曖昧になります。仕事の後という課題の位置づけと、自然に接する条件が比較相手である点を残して読むことで、休憩内容の比較として捉えられます。

休憩を楽しめたという評価と、元の課題に戻る準備が整ったという評価にも違いがあります。見たい内容がまだ続いているときには、休憩の終わりと視聴の区切りが一致しない場合があります。反対に、タイマーの確認だけに画面を使う場合は、動画を続けて見る場合と操作の内容が違います。楽しさ、時間内に終えられるか、再開時の疲れを同じ指標で扱わないことが、画面をめぐる問いを具体的にします。

家庭で試す手順は、休憩と再開を記録するところから

家庭では、まず1週間を試行の期間にして、普段の勉強と休憩の様子を簡単に残します。休憩の長さ、終えた問題数、休んだ後にどこから再開したかを記録の項目にします。この期間は効果が出る期限を意味せず、試し方を見直す区切りとして決めます。記録のために勉強が止まらないよう、書く欄は短くします。

長い読解や証明のように、考えをつなげて進める課題は、短い練習問題と記録を分けます。時間が来るたびに同じ箇所を読み返すようなら、段落や解法の区切りを候補にします。本人が途中で止めるのを負担に感じる日は、その理由も短く残します。タイマーを守れたかだけで評価せず、どこで切ると戻りやすいかを確かめます。

画面については、使う目的と終える合図を勉強の前に決めておきます。動画を見始めると再開が遅れる場合は、画面を使わない休憩の日も設け、戻るまでの様子を比べます。勉強の区切りと画面の使い方を同時に変えると、何が違いを生んだのか見づらくなります。変更はまとめて増やさず、試した内容を記録の端に添えます。

見直すときは、終えた数だけを競わせず、問題の難しさや、答え合わせまでできたかも確認します。塾での学習について話す場合も、子が中断して困った箇所と再開の様子を伝えると、区切る位置を具体的に相談できます。試行が負担になったら記録欄を減らし、続けやすい形へ直します。時計の合図に合わせるために、解けそうな問題まで途中で切り上げる必要はありません。

よくある質問

タイマーを使わない勉強は、効率が悪いのでしょうか

時計を使わないというだけで、進め方の良し悪しは決まりません。「何と比べられているか」の節で示したように、自分で休む時点を決める方法も比較の相手になっています。課題の終わりまで続けたい子と、終わりが見えたほうが着手しやすい子では、区切りに求める役割が異なります。手順の節の記録には、予定を守ったかだけでなく、取り組み始めと再開の様子を残す欄があります。

休憩の間にスマホで時間を確認するのも避けるべきですか

画面の節で扱った実験の対象は、事務作業後にSNSの動画を見る行動です。時刻を確かめる操作とは、見ている内容も続ける理由も違います。端末の名前で分けるだけでは、休憩中に何が起きたかを捉えにくくなります。家庭での試行では、確認のために開いた画面がそのまま別の視聴につながるかも、先に決める使い方に含められます。

問題を多く終えた日は、学力が伸びたと考えてよいですか

終了量はその日に進めた範囲を示しますが、理解の正確さや後で解ける力とは別です。「自習の気分と、読解の点数」の節でも、本人の評定と理解度の試験を分けて扱っています。易しい問題を多く終えた日と、難しい問題で考え込んだ日を、問題数だけで比べると学習内容の差が隠れます。記録を読む際には、取り組んだ単元や問題の種類も手掛かりにできます。

この記事の限界

当てはまる範囲から見ると、定時休憩の直接比較は大学生の単発の課題や当日の自習が中心で、子どもの研究は座ったまま休む方法ではなく運動を挟む方法です。本人の気分の回答と課題の成績では測定の対象が異なり、読解の試験には小さな差を捉える感度の問題も残っています。画面の実験も働く人の事務作業後を対象とし、日本の子どもの家庭学習における再開や疲れを直接測ったものではありません。

小中高生に勉強25分と休憩5分の組み合わせを直接試した良質な研究は見つかっておらず、子どもに適した区切りの長さは未確定です。その方法で学習習慣が長く続くかについても長期の測定がなく、短い試験の成果から継続性を判断する根拠は不足しています。

参考文献

  1. Biwer ほか. Understanding effort regulation: Comparing ‘Pomodoro’ breaks and self-regulated breaks. British Journal of Educational Psychology. 2023;93(S2):353-367.
  2. Smits ほか. Investigating the Effectiveness of Self-Regulated, Pomodoro, and Flowtime Break-Taking Techniques Among Students. Behavioral Sciences. 2025;15(7):861.
  3. Göksu ほか. When to Take a Break: Comparing Effects of Systematic Short (Pomodoro) and Self-Regulated Breaks on Subjective Experience and Actual Learning. Behavioral Sciences. 2026;16(7):1158.
  4. Albulescu ほか. “Give me a break!” A systematic review and meta-analysis on the efficacy of micro-breaks for increasing well-being and performance. PLOS ONE. 2022;17(8):e0272460.
  5. Masini ほか. Evaluation of school-based interventions of active breaks in primary schools: A systematic review and meta-analysis. Journal of Science and Medicine in Sport. 2020;23(4):377-384.
  6. Mavilidi ほか. Effects of different types of classroom physical activity breaks on children’s on-task behaviour, academic achievement and cognition. Acta Paediatrica. 2020;109(1):158-165.
  7. Melguizo-Ibáñez ほか. Classroom Active Breaks as a Physical-Educational Intervention for Executive Functions and Mathematical Outcomes: a Systematic Review with Meta-Analysis. Educational Psychology Review. 2026;38(1):43.
  8. Grobelny ほか. The impact of hedonic social media use during microbreaks on employee resources recovery. Scientific Reports. 2024;14(1):21603.

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よくある質問

タイマーを使わない勉強は、効率が悪いのでしょうか

時計を使わないというだけで、進め方の良し悪しは決まりません。「何と比べられているか」の節で示したように、自分で休む時点を決める方法も比較の相手になっています。課題の終わりまで続けたい子と、終わりが見えたほうが着手しやすい子では、区切りに求める役割が異なります。手順の節の記録には、予定を守ったかだけでなく、取り組み始めと再開の様子を残す欄があります。

休憩の間にスマホで時間を確認するのも避けるべきですか

画面の節で扱った実験の対象は、事務作業後にSNSの動画を見る行動です。時刻を確かめる操作とは、見ている内容も続ける理由も違います。端末の名前で分けるだけでは、休憩中に何が起きたかを捉えにくくなります。家庭での試行では、確認のために開いた画面がそのまま別の視聴につながるかも、先に決める使い方に含められます。

問題を多く終えた日は、学力が伸びたと考えてよいですか

終了量はその日に進めた範囲を示しますが、理解の正確さや後で解ける力とは別です。「自習の気分と、読解の点数」の節でも、本人の評定と理解度の試験を分けて扱っています。易しい問題を多く終えた日と、難しい問題で考え込んだ日を、問題数だけで比べると学習内容の差が隠れます。記録を読む際には、取り組んだ単元や問題の種類も手掛かりにできます。